司法書士法人みつわ合同事務所

民法改正 詐害行為取消権

民法改正 詐害行為取消権

詐害行為取消権とは、債務者が債権者を害することを知ってした財産減少行為を、債権者が、その行為を否認し、裁判所に取消しを請求することによって、債務者の財産の維持を図る規定です。新民法では、詐害行為取消権の要件を細分化し明確化を図るとともに、その行使方法、効果を判例に沿って整理されています。

<<新民法の詐害行為取消権要件の分類>>

第424条(詐害行為取消請求)

第424条の2(相当の対価を得てした財産の処分行為の特則)

第424条の3(特定の債権者に対する担保の供与等の特則)

第424条の4(過大な代物弁済等の特則)

第424条の5(転得者に対する詐害行為取消請求)

実務的な変更点としては、詐害行為取消権の認容判決の効力が及ぶ者の範囲(新民法425条)に、債務者が追加され、訴訟を提起したときは、債務者に訴訟告知をしなければならないこととされました(新民法424条の7・被告は受益者・転得者)

また、詐害行為取消権の期間の制限として、新民法426条は、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から2年、その行為の時から10年を経過したときは、訴えを提起することができないとしました。現行民法は、取消権を時効消滅(知った時から2年、行為の時から20年)としていますが、これを、訴えを提起することができる期間と改め、その期間を短縮しています。