民法改正 連帯債権
新民法では、債権者が複数人である債権を3類型に分けています。
1.分割債権 → 性質上可分である場合(金銭債権等・427条)
2.不可分債権 → 性質上不可分である場合(不動産の引渡請求権等・428条)
3.連帯債権 → 性質上可分であるが、法令の規定又は当事者の意思表示によって連帯して債権を有する場合(複数の債権者各々が、債務者に対して履行を請求でき、債務者がいずれか一人の債権者に弁済をすると、全債権者について、債権が消滅するというもの・432条)
現行民法では、分割債権・不可分債権の2類型でしたが、現行民法の不可分債権の規定を上記2と3に分けて規定することとしました。
また、不可分債権と連帯債権に規定がわけられたことから、複数債権者の一人に生じた事由が、他の債権者に影響を及ぼすかどうかについて(絶対的効力(全債権者に影響を及ぼす)と相対的効力(他の債権者には影響がない))次の通り整理されました。
原則は相対的効力とされています(新民法428条・435条の2)。
しかし、以下の場合は、絶対的効力があるとされます。
<不可分債権の絶対的効力>
・履行の請求・弁済(428条・432条)
・相殺(428条・434条)
<連帯債権の絶対的効力>
・履行の請求・弁済(432条)
・更改・免除(433条)
・相殺(434条)
・混同(435条)
以上、あまり実務的に大きな影響はないと思われますが、連帯債権(432条)が新設されたことには注意しておいたほうが良いと思われます。